絵本とコミュニケーションの発達

●お母さんのお腹の中にいる時

 お腹の中の赤ちゃんは4ヶ月頃になると耳が聞こえるようになります。
  何を聞いているかというと、お母さんの血管を流れる血液の音や心臓の拍動と、お母さんの声です。
  赤ちゃんがコミュニケーションの能力を身につけるための努力は、すでに母親のお腹の中にいる時から始まっています。
  お腹の中の赤ちゃんに絵本を読み聞かせることは意味のあることなのです。

●生まれてきた時

 生まれてきた時、すでに赤ちゃんはお母さんの声と他の人の声を聞き分ける能力を持っているそうです。
  お腹の中で聞いていたお母さんの声を忘れていないのですね。
  胸の上に赤ちゃんをうつぶせに抱いて、やさしく声をかけて上げてください。
  カンガルーケアと呼ばれる育児の始まりです。

●生後2、3ヶ月の頃

 赤ちゃんは「あー」とか「くー」とか声を出します。クーイングの始まりです。
  まだ声を出して笑いませんが、気持ちのよい時には微笑んでくれます。

●生後4ヶ月頃を過ぎると

 4ヶ月頃のなると、赤ちゃんは声を出して笑うことができるようになります。
  6ヶ月頃には、唇や舌を使って「ばぶばぶ」と声に似た音を出すことができるようになってきます。
  喃語(なんご)の始まりです。
  お膝にだっこして絵本を開くと、赤ちゃんは絵本に手を伸ばしたり、なめようとしたりします。
  ほんの一瞬かもしれませんが、好きな絵をじっと見つめていることがあります。
  絵本の読み聞かせを始めるのに早すぎることはありません。

●生後9ヶ月頃

 お母さんが話しかけると、赤ちゃんはお母さんの顔を一生懸命見ています。
  赤ちゃんは、大人が話しかける言葉の中から単語を取り出して、記憶の中に蓄積し始めているのです。
  抑揚をつけたり、音を繰り返して「わんわん」などと表現する赤ちゃん言葉は、
  赤ちゃんが話し言葉の中から単語を選び出すためには必要なことです。

●1歳の頃

 1歳頃になると指さしが始まります。
  指さしは物を示す意味と、「これは何?」と大人に尋ねる意味もあります。
  赤ちゃんが指さした物を繰り返し声に出して上げるとよいと思います。
  絵本を読み聞かせる時には、「わんわんはどこ?」などと、赤ちゃんに指さしをさせてみてください。
  まだおしゃべりも出来ないのに結構いろんなことを知っているのに驚くはずです。

●1歳半を過ぎたら

 歩けるようになったら、こどもの生活は大きく変わってきます。
  冒険心の芽生えと、何でも自分でしようとする自我の芽生えです。
  好きなおもちゃや、絵本を抱えて、自由に部屋の中を移動できるようになります。
  絵本もおもちゃの一つとして、いろんな目的に使われます。

 自分の好きな絵が出てくると、「わんわん!」などの言葉が出るようになります。
  お母さんのまねをして、人形やぬいぐるみに読み聞かせをしているような仕草をすることもあります。
  そろそろ、就寝時に絵本を読み聞かせることを毎日の習慣にしたらよいと思います。

●2歳になったら

 自分で絵本をめくって好きな絵のある頁を開くことができるようになります。
  お気に入りの絵本を何度も繰り返し読んでくれとせがんできます。
  すっかり物語を憶えていて、絵を見ながらお話しをしたりできるようになります。
 日常生活でも「これは何?」と子どもの質問が続きます。
  そろそろクレヨンと紙を与えて、一緒にお絵かきも始めてみましょう。

●3歳になったら

 本を片づけたり、本棚に順序よく並べたりできるようになります。
 かなり長い物語でもじっと聞いていることができます。
 物語の筋を憶えていて、自分なりアレンジして話してくれます。
 作り話もするようになります。
 大人は、こどもが話し終わるまでゆっくり聞いて上げましょう。
 自分の名前が書けたり、ひらがなが少し読めるようになったりしてきます。
 幼稚園や保育園で読んで貰った絵本の話を家に帰ってから話してくれるようになります。

      こどもがコミュニケーションの能力を積み重ねていくのに、
      家庭で絵本を読み聞かせる習慣を持つことは、とても大切なことだと思います。

Sasaki Children's Clinic