ヘルパンギーナは、のどが痛くて高熱の出る夏風邪です
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まえぶれもなく突然発熱
「咳も鼻水も出ないのにどうしたのだろう?」まあまあ元気は良いのに水分ばかり飲んで固形物を食べなくなる。
小児科に行くと「ヘルパンギーナみたいですよ」と診断されます。
熱は2~4日で下がります。
■ 「ヘルパンギーナ」は、コクサッキィーウイルスの仲間が原因になって起こる夏風邪の代表選手です。同じ頃流行する「手足口病」も、同じ仲間のウイルスが原因です。手足口病によく似た発疹が出来ることがあります。
■ のどが痛くて高熱が出るのが特徴です。熱は小さな子どもほど高くて、40度を越すこともあります。小学生くらいになると「頭が痛い」とか、「背中が痛い」などと言うこともあります。5歳以下の子どもでは病気の起こりはじめに嘔吐することもあります。
■ のどにぶつぶつが出来ます。真ん中が白っぽくて周りが赤いぶつぶつです。
■ ヘルパンギーナのウイルスに効く特別の薬はありません。抗生物質も効果がありません。
■ 高い熱の時期が過ぎてしまえば、けろりと治ってしまう病気ですが、熱が続いて、強い頭痛や嘔吐を繰り返すときには、無菌性髄膜炎の可能性があります。もう一度受診してください。
■ のどの痛みが強いので、のどにやさしい食べ物を工夫して与えることと、十分な水分を与えることが大切です。アイスクリーム、ゼリー、ヨーグルト、シャーベット、プリン、冷たいおしるこ、冷やしたポタージュスープなど…いろいろと試してみてください。
■ 飲み物は酸っぱいオレンジジュースなどを避け、イオン飲料水や乳製品のほうがよいでしょう。
■ 登園・登校基準 熱が下がって、食事が取れるようになったら、園や学校に行ってもかまいません。
手足口病
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■ 手足口病は、言葉の通り手と足と口の中にぶつぶつが出来る病気です。「本当にそんな名前の病気ってあるの!」なんて思うお母さんがいるかも知れませんね。
■ ブツブツのできるところ
手のひら、ひじ、足のうら、ひざ、おしり、口の中
■ 手足口病は夏に流行しますが、ぽかぽか陽気が続くと、季節外れにも起こります。
■ 口が痛くて、食欲が落ちる。
口内炎が沢山できるので、よだれが多くなって、食欲が低下します。アイスクリーム、シャーベット、プリン、冷たいおしるこ、ポタージュスープ、コンソメなど、冷たくて、辛くなくて、酸っぱくなくて、噛まずに飲み込めるものを与えましょう。食パンや白米などの淡泊な味なら食べてくれることもあります。
■ 手足口病の原因になるのは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどです。同じ頃に流行するヘルパンギーナも同じ仲間のウイルスが原因ですから、兄弟みたいなものです。ヘルパンギーナの後に、手足にぶつぶつが出来ることもあります。
■ 原因となるウイルスが何種類もあるので手足口病には何度もかかります。ウイルスの種類によって重さもさまざまです。2011年に流行した手足口病では、治ってしばらく経って指の爪がはげることもありました。爪はきれいに再生しますから心配ありません。皮膚症状がひどい時には、とびひにならないように軟膏を処方します
■ 潜伏期は3〜7日です。
■ 手足口病には特別な薬は必要ありません。痛み止めや口内炎の軟膏を処方することがあります。熱がなければ入浴してもかまいません。
■ まれに、髄膜炎、脳炎を起こすことがあります。高熱が続いて、強い頭痛があるときや、嘔吐を繰り返すときには受診して下さい。
■ 登園・登校基準
高熱がある、食事がとれない、よだれが多いときは休ませましょう。熱が下がって、元気で食事が出来るようになったら、登園は可能です。
■ 手足口病のウイルスは、口やのどなどからは約1週間、便の中には数週間にわたって排出されています。
感染する病気なのに「登園してもいいよ」という理由は、病気が重くないこと、人にうつる期間が長いので少しだけ休んでも意味がないこと、気づかずに登園や登校している子が多いので、見つかった子だけ休ませても流行を押さえることができないからです。