おたふくかぜ

おたふく風邪

耳下腺と顎下腺は唾液を造るところです

■ おたふく風邪はムンプスウイルスが原因の流行性の病気です。

■ 耳の前にある耳下腺や、あごの下の顎下腺が腫れておたふくみたいな顔になります。英語ではムンプス(Mumps)と呼びます。不機嫌なふくれっつらという意味です。両方のほほが腫れますが片方だけのこともあります。

■ 潜伏期間は2〜3週間です。

■ ほほの腫れは約1週間続きます。朝起きた時が一番痛いようです。痛くて泣くようなら鎮痛剤(坐薬や頓服)を与えて冷やして上げて下さい。38.5度を越えるような熱が続くこともあります。

■ 合併症として「髄膜炎(ズイマクエン)」があります。頭が痛くてゲポゲポと吐くときや、1週間以上も熱が続くときは要注意です。診断には髄液の検査が必要です。後遺症を残すことはほとんどありません。

まれに、難聴を起こすこともあります。ワクチンを打っておくと防ぐことが出来ます。

■ おたふく風邪の治療には特別な薬は必要ありません。痛み止めの頓服や湿布薬があれば十分です。

■ 耳下腺(じかせん)・顎下腺(がっかせん)がはれ初めて、5日間を過ぎ、かつ全身状態がよくなれば登園できます。

■ 入浴は熱が下がっていればかまいません。

反復性耳下腺炎

■ おたふく風邪に良く似た病気に「反復性耳下腺炎(はんぷくせいじかせんえん)」があります。

■ 同じように耳下腺が腫れますが、反復性耳下腺炎の原因はムンプスウイルスではなく、他のウイルスや細菌などです。

■ 耳下腺は片方だけ腫れることが多いようです。

■ おたふく風邪は一生に一度の病気ですが、反復性耳下腺炎には繰り返しかかります。「何度もかかるおたふく風邪」の正体はこれです。

■ 「おたふく風邪」か、「反復性耳下腺炎」か、紛らわしいときには、採血をしておたふく風邪の抗体価を測定してみましょう。


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