起立性調節障害
■ 大症状
□ A.立ちくらみあるいはめまいを起こしやすい。
□ B.立っていると気持ちが悪くなる。ひどいと倒れる。
□ C.入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる。
□ D.少し動くと、動悸あるいは息切れがする。
□ E.朝起きが悪く、午前中調子が悪い。
■ 小症状
□ a.顔色が青白い
□ b.食欲不振
□ c.臍疝痛
□ d.倦怠あるいは疲れやすい
□ e.頭痛
□ f.乗り物酔い
□ g.脈圧狭小16mmHg以上
□ h.収縮期圧低下21mmHg以上
□ i.脈拍数増加21/分以上
□ j.立位心電図のTII0.2mV以上の減高
大1+小3、大2+小1、大3以上が陽性。
■ クリニックでは起立試験(10分間立位)を行います。
体はすっかり大人になってしまったのに心はまだまだ子供なのです
■ 人間が子供から大人に変わり始めるのは小学校の高学年から中学生の頃です。体の成長と心や神経の発達のアンバランスが原因になるいろんな病気の起こる頃です。中でも、体はすっかり一人前になったのに、その体を調節している自律神経がまだまだ子供のままでいる時に「起立性調節障害」が起こります。男の子に比べると、女の子の方が自律神経のアンバランスは起こしやすいようです。
■ 起立性調節障害の正体は立ち上がったときに血圧が不安定になることです。しかし、症状は極めて多彩です。おなかが痛い。頭が痛い。体がだるい。食欲がない。顔色が悪い。くらくらする。ムカムカする。「もういい加減になさいよ。どこが悪いのかはっきり言ってごらんなさい!」と叱ってみても、本人も本当にどこが悪いのか分からないのです。午前中がまったくダメで、夜になると元気が出るのもこの病気の特徴です。ついつい夜更かしをして朝がますます起きれなくなる悪循環に陥ることもあります。
■ 軽い起立性調節障害は誰もが通り過ぎなければならない試練ですが、前頁の診断基準で陽性になるくらい症状がある時は、自律神経が一人前に成長するまで少し助けてあげた方がよいと思います。特に「あんまり学校に行きたくないなぁ」と言う気分になって、今流行の「登校拒否」になりそうだったら積極的な治療が必要でしょう。起立性調節障害の特効薬は、早寝早起き、朝の散歩、十分な朝食と規則正しい食事、適当なスポーツ等の「言うのはやさしいが実行するのが難しい」当たり前のことばかりです。血圧を安定させるような薬が役に立つこともあります。ご両親も朝起きが苦手だった中学校の頃を思い出して、子供がぐずぐず言うのを良く聞いて上げて下さい。