咳の出る病気
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・かぜ
・仮性クループ
・百日咳
・長引く咳
・気管支炎
・肺炎
・喘息性気管支炎
・喘息
■ 咳は病気の音楽です。咳の音や出方を観察すると病気の種類を見分けることも出来そうです。
・咳の性質と音色
・出る時間
・伴う症状
について、いろんな病気で比べてみましょう。
■ 風邪
咳の性質と音色 | ・クシュンクシュン ・ゴホゴホコンコン ・少し湿った咳 |
出る時間 | ・1日中でる ・昼間に強い |
伴う症状 | ・発熱 ・鼻水、頭痛 ・のどが痛い |
■ 仮性クループ(喉頭炎コウトウエン)
咳の性質と音色 | ・ケホン ケホン ・ケンケン ・痛そうな咳 ・犬の遠吠え ・オットセイの咳 |
出る時間 | ・1日中 ・特に夜間に強い |
伴う症状 | ・声がかすれる声が出ない ・呼吸困難 ・発熱、微熱 |
仮性クループでは声を出す声帯(セイタイ)の近くが腫れるので、息を吸うのがとても苦しくて、のどの下がペコペコへこんだりします。軽症では吸入とお薬を飲むことで良くなりますが、呼吸困難が強いときや1歳以下の赤ちゃんでは入院しなければならないこともあります。部屋の湿度をできる限り上げて、のどを守って上げることが大切です。
■ 百日咳
咳の性質と音色 | ・コンコンコンコン…ヒュウウー |
出る時間 | ・咳の発作 |
伴う症状 | ・顔がむくむ |
■ 気管支炎
咳の性質と音色 | ・ゴホンゴホン ・ゼコゼコ ・湿っぽい咳 ・せき込む |
出る時間 | ・1日中 ・寝入りばな夜間がひどい |
伴う症状 | ・熱が続く ・たんがからむ ・少し苦しい |
風邪のあとにいつまでも湿っぽい咳が続くときは、気管支炎になっていることがあります。熱もなく夜間すやすや眠れるようなら心配はありません。
■ 肺炎
咳の性質と音色 | ・ゴホゴホゴホン ・ゲゴンゲゴン ・湿っぽい咳 ・咳込みが強い ・たんが多い |
出る時間 | ・1日中 ・昼夜を問わず咳が続く |
伴う症状 | ・熱が続く ・日に日に咳がひどくなる ・ぐったりする息づかいが荒い ・顔色が悪い |
子どもの肺炎の原因はウイルス、マイコプラズマ、細菌などです。熱が長引いて咳がひどくなってきたら注意しましょう。気管支炎か肺炎かを見きわめるのにはレントゲンの検査が必要です。
細菌性の肺炎の疑いがあるときや、薬をうまく内服できない乳児や、ぐったりしてしまっている時には入院が必要になります。
■ のどに何かひっかかった時
咳の性質と音色 | ・ゴンゴンゴンゴン ・むせるような咳 |
出る時間 | ・食事時に突然 |
伴う症状 | ・呼吸困難、顔が紅潮 |
■ 咳の癖
咳の性質と音色 | ・ぐふん、ぐふん ・エヘン、エヘン |
出る時間 | ・昼間 ・寝ると止まる |
伴う症状 | ・平熱 ・元気は良い |
■ 先天性喘鳴(センテンセイゼイメイ)
生まれつきゼロゼロいう赤ちゃんです。
気管が生まれつき柔らかく、強く息を吸うと気管が笛のようにゼロゼロと鳴ります。
「ゴロゴロ、ゼロゼロ」と派手な息づかいですが、赤ちゃんがにこにこしていれば心配はありません。
2歳くらいまでには自然に気管も丈夫になり、ゼロゼロ鳴らなくなります。喘息になることはあまりありません。
■ 喘息性気管支炎(ゼンソクセイキカンシエン)
咳の性質と音色 | ・ゼーゼー ・ゼロゼロ ・ゴロゴロ ・ゴホゴホ |
出る時間 | ・寝て1ー2時間 ・明け方 ・暴れたとき ・昼間は少ない |
伴う症状 | ・平熱(発熱) ・元気はある ・少し苦しい |
喘息によく似た咳です。風邪の後や季節の変わり目にしつこく続きます。
咳のでやすい体質・気温の変化・アレルギーが原因のようです。
熱もなく元気の良い時は、そんなに心配はいらないでしょう。
夜中にゴホゴホと寝苦しそうな時は水を飲ませるとよいでしょう。
喘息様気管支炎の大部分は小学生になれば治ってしまいますが、中には喘息になることもあります。アトピー性皮膚炎や、家族に喘息や花粉症などのアレルギー性の疾患があるときには喘息になりやすいようです。
● 咳のでないときにも息苦しい。
● 夜中にゼーゼー、ヒューヒューいって眠れない。
● 発作的にせき込みが起こる。
● 呼吸困難になったことがある。
● 同じ様な症状が繰り返し起こる
こんな時は本当の喘息の可能性があります
■ 喘息(ゼンソク)(気管支喘息、小児喘息とも呼びます)
咳の性質と音色 | ・ヒューヒュー ・ゼーゼー ・ピューピュー ・プープー ・突然起こる |
出る時間 | ・夜間、夜中、早朝 ・運動、興奮時 ・アレルギー物質に接触 ・春、秋 ・気温差のある日 |
伴う症状 | ・平熱、微熱 ・呼吸困難 ・眠れない ・喋れない ・チアノーゼ |
小児喘息の多くはアレルギーによって起こります。
風邪などの感染症が引き金になって症状が悪化することもあります。
繰り返し発作を起こすときにはじっくり腰をすえて根本的な治療計画をたてることが必要です。
喘息を完全に治すには発作が起こらないように予防する治療が大切です。根気よく治療を続けましょう。