インフルエンザ

インフルエンザ

■ インフルエンザはインフルエンザウイルスによっておこる冬の集団風邪です。

■ 従来の季節型として、A香港型、Aソ連型、B型が知られていましたが、2009年の春からA北米型が新たに仲間に加わりました。潜伏期間はどのタイプもおおよそ2~3日です。あっという間に家族全員がかかってしまいます。

■ インフルエンザはウイルスの型で少しずつ症状が違いますが、おおよそ次のようです。

1日目
●突然の発熱(39〜40度)
●寒気がする。ぶるぶる震える。
●体は熱いのに手足が冷たい。
●のどが痛い
●頭が痛い
●鼻づまり
●ふしぶしや、腰や、首が痛い
▲まぶしい
▲目が痛い
▲下痢
▲嘔吐
(高熱は3~5日間続きます。)

3日目
●咳がひどくなる。
(咳は4~10日間くらい続きます。)

5日目
●ぼちぼち熱が下がる
▲熱は1週間以上続くこともあります。
▲下がった熱がぶり返すこともあります。
(約1週間で自然に治る病気ですが、抗インフルエンザ薬は発熱期間を2〜3日短縮します)

■ 合併症としては、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、筋肉炎、心膜炎、心筋炎があります。まれですが症状の重い脳症には注意が必要です。

■ 学校や幼稚園へ行ってもよいのは?
熱が下ってから2日(幼児は3日)以上、かつ、発症してから5日以上休みましょう。

■ インフルエンザの検査
鼻の奥の粘液を調べることによってインフルエンザかどうかを知ることができます。ただしウイルスが十分に増えていない発熱後6時間以内には検査が陽性に出ないこともあります。何度も検査をするのは子どもの負担になります。熱が出てもあわてずに半日か一日ほど子どもを観察してから来院してください。検査の感度は50-80%です。検査が(-)でも安心できません。高熱の間は子どもの様子を慎重に見守りましょう。

■ インフルエンザの治療薬
インフルエンザの薬にはタミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザ(2018〜)、ラピアクタなどの薬があります。いずれも病気の始まりには有効ですが、3~4日も過ぎてしまった後には役に立ちません。インフルエンザは基本的には薬を飲まなくても自然に治る病気です。インフルエンザだからと言ってあわてたり、おそれたりすることはありません。

■ インフルエンザの看病
・ゆっくり休息する事が最も大切です。
・十分な水分と栄養の補給をしましょう。
・体の消耗を防ぐために解熱剤も必要ですが、最小限にしましょう。

■ 子どもに安心して使える解熱剤は、アセトアミノフェン(アルピニ、アンヒバ、カロナール、コカールなど)と、イブプロフェン(ブルフェン、ユニプロンなど)の仲間です。

■ インフルエンザの予防
・よく手を洗う。うがいをする。マスクをする。
・人混みを避ける
・ワクチンを打つ
・バランスのよい食事をとる
・睡眠を十分とる

■ インフルエンザにかかると、タミフルなどの薬を飲んでいなくても、暴れたり、予想のできない行動をしたりします。お子さんから目を離さないように気を配り、ひとりぼっちで寝かせておかないようにしましょう。


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