ヒトメタニューモウイルス感染症

ヒトメタニューモウイルス感染症

■ ヒトメタニューモウイルスとは
2001年に分離・同定されたウイルスなので、あまり馴染みのない名前ですが、実は小児の呼吸器感染症の5~10%、成人の呼吸器感染症の2~4%はヒトメタニューモウイルス(hMPV)が原因だと考えられています。生後6か月から感染し始め5才までにほぼ全員が感染し、感染を繰り返す毎に症状は軽くなります。

■ 年長児では症状は軽い
年長児や成人では普通の風邪症状。
咳が1週間、熱は4〜5日とやや長め、鼻水は比較的少なめ。
感染しているが症状が出ない不顕性感染も沢山あるようです。

■ 乳幼児では重症化しやすい
発熱期間が長く咳がひどくなります。
喘息性気管支炎 … ゼーゼーヒューヒュー
急性中耳炎 … ぐずって眠れない
細気管支炎 … 呼吸困難
肺炎 … 発熱と呼吸困難などを併発することもあります。

■ 潜伏期は約3〜6日です。

■ いつまで感染するか?
約7〜14日間気道からウイルスが排泄されます。その間は感染する危険性があります。
マスクをするなどして人に移さないようにしましょう。

■ 流行時期
hMPV感染症は1年中みられますが、3月から6月が流行のピークです。RSウイルス流行のピークから1〜2か月後に流行し始めます。

■ 検査
hMPVは迅速診断キットで検査することができますが、症状が軽い場合は必要ありません。

■ 治療
特別な治療方法はありません。軽い症状の時はいつも通りの看病で十分です。乳幼児では、咳や、苦しい呼吸に対する治療が必要になることがあります。二次的な細菌感染による中耳炎や肺炎などを併発した場合は抗生物質による治療が必要になります。呼吸困難がある場合は入院が必要です。

■ 予防
手洗い、うがいが原則です。


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