鉄欠乏性貧血

乳幼児期の貧血について 鉄欠乏性貧血

■ 赤血球は肺で吸収した酸素を身体中の隅々までくまなく運ぶために働いています。赤血球の数が減ったり、赤血球の成分(ヘモグロブリン)が少なくなったりするのが貧血です。

■ 貧血になると
□ 元気がない
□ 疲れやすい
□ 体重や身長の伸びが悪くなる
□ 顔色が悪くなる
□ 食欲が落ちる
□ へんなものを食べる(泥や砂など…)

■ 貧血の原因は様々ですが、ヘモグロビンを作るための鉄分が不足するのが鉄欠乏性貧血です。

■ 鉄分は乳幼児期と思春期と妊娠をしたときに不足しがちです。乳幼児期は体がぐんぐん大きくなるために、思春期は生理の始まり、妊娠は胎児の発育のために鉄分がたくさん必要だからです。

■ 鉄分は赤血球のためだけではなく、脳や内臓や筋肉や骨や皮膚などの人間のあらゆるところで必要な栄養分です。
特にぐんぐん発育をしている乳幼児にとっては大切です。鉄不足は貧血だけでなく脳や運動の発達に影響を及ぼすことがあります。

■ 鉄欠乏性貧血を予防するには

□ 離乳食におすすめの鉄分の多い食品
小松菜、ほうれん草、納豆、青のり、焼き海苔、レバー、きなこ

□ 青のりはおかゆやごはんに混ぜ込んだり料理にふりかけたりすると食べやすくなります。レバーなどは市販のベビーフードを活用するのも便利です。

□ 離乳食が進んできたら、牛肉、鶏肉、赤身の魚なども増やしていきましょう。

□ 母乳だけで育ってきた乳児には離乳食期の後期からフォローアップミルクを牛乳の代わりに足してあげると十分な鉄分を取ることができます。

■ 心配だったら検査をしてみましょう。

□ 顔色が悪い(毎日見ているお母さんはなかなか気づかないものです、久しぶりに会ったおばあちゃんに「色白くなったね」と言われたときは相談してください。)

□ 食欲がない

□ なんとなく元気がない

簡単な血液検査ですぐにわかります。

■ 乳幼児の鉄欠乏性貧血を治すためには3ヶ月間鉄剤を飲みます。

□ 鉄剤のシロップを根気よく1ヶ月飲んでください。

□ 1ヶ月分のお薬が終わったら、もう一度血液検査をしてみましょう。

□ 貧血がよくなっていたら、肝臓や骨などに鉄分の貯蓄を増やして貧血がぶり返さないようにあと2ヶ月鉄剤を続けましょう。
(鉄剤を飲むとウンチが黒くなりますが心配ありません)


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