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ワクチンの普及で、最近は重症化することがすくなくなりました。
■ 冬から春の季節に、赤ちゃんが「げぼげぼ」としつこい嘔吐のあとに、コメのとぎ汁のような白い色の下痢をすることがあります。「白色便性下痢症」とか、「冬季下痢症」とか、「白痢(はくり)」と呼ばれます。
■ ロタウイルスという寒さに滅法強いウイルスが原因です。便を取って簡単に調べることが出来ます。
■ 症状はこんなふうに進行していきます。
① 風邪の症状(発熱、咳、鼻水など)… 3〜4日間
② 嘔吐 … 1〜2日間
③ 下痢(白い下痢~黄色下痢)… 7〜10日間
■ 嘔吐と下痢が重なる時に脱水症状のためにぐったりすることがあります。便が黄色になりだしたら回復し始めたきざしです。
■ 下痢が1週間以上続くことも少なくありません。
根気よく看病する事が大事です。お母さんやお父さんが途中でばてないように頑張って下さい。
白い下痢の看病
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■ 白色便性下痢症で一番大事なことは、脱水症にならないように、根気よく水分と塩分を与えることと、食事療法です。
■ 特に嘔吐と下痢のはげしい病気の始まりの時期には、水分を小刻みに繰り返し与えましょう。
■ 水分としては十分塩分を含んだ経口補水液、乳児用イオン飲料水、野菜スープ、味噌汁がお勧めです。
お茶や水では脱水症は治りません。
■ こどもクリニックでは「ソリタ顆粒」を処方します。1袋を100mlの湯冷ましに溶かすと「点滴」に用いる注射液とよく似た成分になります。飲みにくい時には、リンゴジュースなどを混ぜて甘くしてみて下さい。
■ 嘔吐が治まってきても気を抜いてはいけません。
白色便性下痢症では、普通の時に比べて消化の力が弱っています。特にミルクや、牛乳に含まれている「乳糖」の消化不良を起こしやすくなっています。下痢が長引くときには、一時的に乳糖を含まないミルク(ボンラクト、ノンラクト、ラクトレスなど)に変えてください。
■ 下痢の時の食事はスクスクノートの「下痢の時の食事」を参考にしてください。
■ 2012年からは乳児を対象にして経口の予防接種が始まりました。